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2006年9月26日(火)

デューデリジェンスとは何だ?
 
 

due diligence

 デューデリジェンスという言葉を知っていますか?デューデリジェンスとは、英語のDue(当然の、正当な)とDiligence(勤勉、精励、努力)を組み合わせた言葉で、直訳は、当然の努力という意味になります。

 何のことか理解し難い訳ですが、主に投資用不動産の取引を行うときや、M&A(企業の吸収合併や事業再編)を行うとき、あるいは大型金融投資を実行する際、果たして本当に適正な投資なのか、また投資する価値があるのかを判断するため、事前に詳細に調査を行うことを指して使われています。


最終仕上げとしてのデューデリ

  最近は、M&Aという言葉が毎日のように新聞紙面に登場していますので、それに関連してときどきデューデリジェンスという言葉も新聞で目にするようになりました。

  買収型M&Aの場合、一般的には売り手と買い手が買収契約書に調印する前に、買い手が売り手の事業について、相手の協力の下で詳しく調査する手続きを意味しています。

 内容的にはビジネス、財務、法務などの各分野に区分されますが、実務ではそれぞれの分野が密接に関連し合っていますので、会計士、弁護士、金融機関の専門家などで、調査対象企業の業界に精通した者でチームを編成して実行することが殆どです。

 買収企業の隠れた欠陥を知らずに企業再編に突入すると自分の命取りになることもありますので、M&A最終場面での緊張した重要な作業といえます。

了解手続きとしてのデューデリ

  関係者が了解しあう対象企業の取引価値の最終確定手続ですから、逆に、強引に企業結合を図る敵対的M&Aの場合には、デューデリジェンスはありません。

 MBO(経営陣が企業を買い取る型のM&A)の場合は企業の当事者そのものですから、デューデリジェンスは不要ですが、ファンドなどの外部資金提供者が関係してくる場合には、デューデリジェンスが行われます。