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2006年9月22日(金)

世界の新潮流   東欧のシンプルな税制
 
 

 アメリカの税理論にフラットタックスというのがあります。

 基本税率19%だけです。基礎控除を大きくとると、実質的な累進税制になると説いています。

 1995年に法案になりましたが採択には至りませんでした。


スロバキアの動き

 旧共産圏のスロバキアは、2004年に、所得税の10〜38%の累進税率を廃止し、税率を19%の一本にしました。

 これだけでなく消費税も、食品などに対する軽減税率を廃止して税率を19%に統一し、さらに、法人税の税率も25%から19%に引き下げました。

 所得税、法人税、消費税の税率を全て19%に揃えたのです。

ねらいと成果は

 この大胆な改革のねらいについては、労働意欲の向上や直接投資の促進、税務行政の効率化などだと言われています。

 それゆえか、近年5%以上の経済成長を達成するなど好調ですし、税収もわずかながら増えています。

 スロバキアの首相が昨年5月に来日した際、小泉総理に対して、「導入の過程で議論はあったが、最終的に国民が受け入れた。

 一律税制の導入は結果的に非常によかった。」と述べるなど、スロバキア政府は改革の成果に自信を持っているようです。

東欧では普通

 この一律税率への税制改革。

 奇抜に見えますが、東欧では珍しいと言えないかもしれません。

 所得税の累進税率を廃止して税率を一本にした国は、ロシアなど9ヶ国に上りますし、そのうちルーマニアとエストニアでは、法人税の税率を所得税と同じにしました。

 9ヶ国以外でも、ポーランドとスロベニアが、所得税・法人税・消費税の税率の一本化を検討しています。


反発もある 

 法人税については、19%というEU加盟国のなかでも低い税率に対して、自国企業の流出を心配するドイツ(法人税率25%)やフランス(同33.3%)などは、税のダンピングであると反発の声を上げています。


シンプルイズベスト

 アメリカの急進的自由主義税理論が旧共産圏の国々で歓迎され実現しているのです。

 「事実は小説より奇なり」です。