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2006年9月20日(水)

=シリーズ戦略会計= 損益分岐点売上は商売の基本
 

損益分岐点売上とは

 損益分岐点売上げとは、利益が±0の場合の売り上げを言います。

  算式で示すと以下となります。(図参考)

  利益が0の場合の算式はmPQ=F@+FAとなり、この算式を展開すると、 PQ(損益分岐点売上)=(F@+FA)/mとなります。

  ですから、固定費を付加価値率で割ったものが損益分岐点売上と言うことになります。

 例えば平均の付加価値率(粗利益率)が20%ある商品を売っている企業で、固定費が月に500万円かかる場合は、500万円÷20%=2500万円の売上があれば、500万円の付加価値(粗利益)=固定費が稼げますので、何とかトントンで行けることがわかります。

利益も損失も直ぐわかる
 
 更に損益分岐点売上がわかっていると、利益も損失も極めて簡単にわかります。

 上記の例で言うと、売上2500万円でトントン±0ですから、3000万円売り上げた時は、(3000万円−2500万円)×20%が利益と言うことになります。

 逆に2000万円しか売れなかった場合は、
(2500万円−2000万円)×20%が損失と言うことになります。

  要は、損益分岐点売上を超えた売上の付加価値(粗利益)が利益であり、損益分岐点に達しない売上の付加価値(粗利益)が損失と言うことになります。


損益分岐点は天国と地獄の境界

 ですから、付加価値率(粗利益率)が大きいほど損益分岐点売上を超えた場合の利益は急激に増えることになりますし、逆に損益分岐点売上に足りない場合の損失も急激に増えることになりますので、損益分岐点売上を超えるか超えないかで天と地の差が出てくるのです。

PQ

売上

vPQ変動費

mPQ

付加価値

(粗利益)

F@人件費

FA他固定費

G利益

損益分岐点売上
   mPQ=F@+FA
   PQ=(F@+FA)÷m