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2006年9月19日(火)

=シリーズ戦略会計= 株主の為の分析

 

企業価値分析

 最近は資本家すなわち株主の利益を擁護する傾向が著しく、はやりの分析として投下資本に対する利回りや、企業価値が何れくらい増加したのかと言った分析があります。

  1. 投資利回り(ROE)と
  2. 株主利回り(SVA1)と
  3. 企業価値(SVA2)の3つです。

投資利回り(ROE)

 売上高対利益率×資本回転率×株主資本倍率で求めます。難しそうですが分解すると以下となります。

 当期利益/売上高×売上高/
 総資本×総資本/株主資本=当期利益/
 株主資本

 単位は当然%表示です。要は投資した資本に対して何%の利益が得られたのかと言うことです。

  投資利回りですから当然利益は税引後と言うことになります。


株主利回り(SVA1)


 株主資本×(ROE−資本調達コスト)で求めます。

 単位は金額です。

 要は投資した資本に対して幾ら儲けたかを見ます。

  資本調達コストとは市場金利です。

 貸付ではなく投資ですからリスクがあります。

 それが市場金利以下の利回りでは意味がないと言うことです。



企業価値(SVA2)

 総資産×(総資本利益率―資本調達コスト)で求めます。

 単位は金額です。

  総資本利益率は当期利益/総資本(総資産と同じ)で求められます。

  貸借対照表は原因(負債・資本)と結果(資産)です。

 総資産に見合う資金を様々な方法で調達し、リスクを犯して運用しているのだから、市場金利以上の利回りで運用されて初めて企業価値を増加させることが出来るのである。

 と言っているのです。

 基本的には株主の立場ですから、良し悪しは別にして、市場金利で貸した方が得か、投資した方が得かが判断の基準です。