商法の改正により、自己株式の取得が原則自由となりました。そのため、相続対策や資本政策や自己株式の償却等で、自己株式の取得が利用できるようになりました。
この会計処理については、仕訳上は新会社法施行後も変更はありませんが、貸借対照表上は表示される場所が変わりました。従来は「資本の部」の控除項目として表示されていましたが、今後は「株主資本」の控除項目として表示されます。
新会社法による貸借対照表「純資産の部」の表示例
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│ 純資産の部 │
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│I 株主資本 │
│ 1 資本金 │
│ 2 新株式申込証拠金 │
│ 3 資本剰余金 │
│ (1)資本準備金 │
│ (2)その他資本剰余金 │
│ 資本剰余金合計│
│ 4 利益剰余金 │
│ (1)利益準備金 │
│ (2)その他利益剰余金 │
│ ××積立金 │
│ 繰越利益剰余金 │
│ 利益剰余金合計│
│ 5 自己株式 │
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│ 6 自己株式申込証拠金 │
│ 株主資本合計│
│II 評価・換算差額等 │
│ 1 その他有価証券評価差額金 │
│ 2 繰延ヘッジ損益 │
│ 3 土地再評価差額金 │
│ 評価・換算差額等合計│
│III 新株予約権 │
│ 純資産合計│
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│負債及び純資産合計 ×××│
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なお、新会社法の施行で、利益処分計算書がなくなりました。
そして、計算規則において「株主資本等変動計算書」が規定され、すべての株式会社に作成が義務付けられています。
この計算書上でも、自己株式の増減を表記します。