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◇Q&A会社法改正◇
 〜会社法改正 書類編〜
 会社法改正 書類編 第2回
 貸借対照表はどのように変わったか。
 

新会社法の施行に伴い、決算書の種類はどのように変わったのでしょうか。

 

 従来の貸借対照表は、「資産の部」「負債の部」「資本の部」で成り立っていましたが、今回の改正によりこの「資本の部」が「純資産の部」に改組されました。また、「純資産の部」の分類項目も、下記のように変更になっています。

 新会社法による貸借対照表「純資産の部」 ←← 従来の「資本の部」

┌───────────────────┐  ┌──────────┐
│       純資産の部       │  │   資本の部   │
├───────────────────┤  ├──────────┤
│I 株主資本              │  │I 資本金      │
│   1 資本金           │  │II 資本剰余金   │
│   2 新株式申込証拠金      │  │ 1.資本準備金   │
│   3 資本剰余金         │  │ 2.その他資本剰余金│
│    (1)資本準備金       │  │III 利益剰余金   │
│    (2)その他資本剰余金    │  │ 1.利益準備金   │
│   4 利益剰余金         │  │ 2.任意積立金   │
│    (1)利益準備金       │  │ 3.当期未処分利益 │
│    (2)その他利益剰余金    │  │IV 評価差額金   │
│       ××積立金       │  │V 自己株式    │
│       繰越利益剰余金     │  └──────────┘
│   5 自己株式          │
│   6 自己株式申込証拠金     │
│II 評価・換算差額等          │
│   1 その他有価証券評価差額金  │
│   2 繰延ヘッジ損益       │
│   3 土地再評価差額金      │
│III 新株予約権            │
└───────────────────┘

      具体的な変更点としては、下記が挙げられます。

分類項目が「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」に変更されました。

・今回の改正で株主総会の利益処分や中間配当に限らずに剰余金の
 配当を行うことができるようになったため、これまで利益処分の前後で区別さ
 れていた「当期未処分利益」と「繰越利益」の区分がなくなりました。貸借対
 照表上でも、「当期未処分利益」がなくなり、「繰越利益剰余金」として表示さ
 れることになりました。

・「自己株式」は、従来は「資本の部」全体からの控除項目でしたが、改正によ
 り「株主資本」の控除項目となりました。

従来は「負債の部」に記載されていた「新株予約権」が、「純資産の部」の記載項目となりました。さらに、この「純資産の部」の年間の変動の明細表として、「株主資本等変動計算書」の作成が義務付けられています。