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2008年7月7日(月)

貸倒損失は 早くても遅くてもダメ
 
 

貸倒損失が認められる場合

 売掛金や貸付金が回収不能となった場合は、貸倒損失として損金に処理できます。

 しかし回収不能かどうかの判断は様々で、税務上では通達で大きく以下の3つに分けて通達で細かく条件を定めています。

(詳細は、ご相談ください)

  • 会社更生法や特別清算・債権者集会での決定・書面による債務免除等法的に債権が消滅した場合。
  • 実質的に債権の全額が回収できないことが明らかになった時。
  • 売掛債権が取引停止後1年以上回収できないときや、回収のコストが債権金額より大きい時。

 

人情としては早く落としたい

 売掛債権などは売上に上げて収益としていますから、どうせ回収できないのなら税金を払う前に損金として落としてしまいたいのが人情ですが、回収不能の条件を満たしていない場合は、税務上損金として認められませんからご留意ください。

遅い分ならかまわないのか?

 逆に今期は赤字なので、回収不能が明らかとなったが、来期に落とす分には遅いのだから問題はないだろうと、そのままにしておいて次の期に損金に落とした場合はどうなるのでしょう。

 結論から言えばその場合も、損金としては認められません。

 貸倒損失は、回収不能であることが明らかになった事業年度において損金処理することが出来るとありますので、明らかになった事業年度以外では損金処理はできませんので気を付けてください。

欠損金の繰越延長と同じ

 これは税務上欠損金の繰越期間は7年ですが、その後の事業年度で貸倒損失の処理を認めると、実質的に繰越期間の延長を認めることとなるからだと言われています。