2008年6月9日(月) |
国税の時効の意味 |
国税の時効 国は税金を徴収することができる権利をもっています。これを「 国税の徴収権」といいます。その権利は、国税の法定納期限から5年間行使しないことによって時効により消滅するとされています。
通常の債権債務において、時効による利益を得るには「時効の援用」すなわち時効の利益を得ることを選択する旨の主張をしなければなりません。 しかし、国税債務については「その援用を要せず、またその利益を放棄することができない」と法律で定めています。
時効と似ているものに「更正・決定の期間制限」があります。税務署長による税額の変更や確定の権限行使可能期間のことです。
税額を変更・確定する権限は、申告納税制度の下では第1次的には納税者にあります。当初申告による税額確定、修正申告による税額確定がその権限行使です。 修正申告は税務署長による更正処分がある前ならいつでもできます。 |
時効の利益を侵害できるか 期限内申告書を提出後5年経過後において時効の確定している税額について「更正処分ができるか?」「納税者サイドからの修正申告ができるか?」と問われたら原則的には「否」です。 第1に一般の更正・決定の期間制限は時効の期間より長くないこと、第2に時効の利益は放棄できないので、時効の完成により租税債務は消滅していて修正申告の対象としては最早不存在ということです。敢えて、修正申告をしてもそれは無効な行為をしていることになります。 時効が2年延びることも 刑事告発されるような「偽りその他不正の行為」が発覚した場合には、時効の完成は7年に延び税務署長の更正処分の期間も7年に延びることになっています。 この場合には、修正申告も可能です。ただし「偽りその他不正の行為」が立証されないままでの修正申告書の提出は無効の行為の可能性が大です。筋論からすればこのような場面は、職権更正以外はありえないというべきでしょう。
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