2008年6月2日(月) |
「税モラル」世界一の真実 |
「税モラル度」最高って、本当? 日本は「税モラル度」世界一だといわれてもなんとなくしっくりきません。 逆に、日本にも「脱税は非」と答えない人が2割いるといわれると、これもしっくりきません。 「脱税は是か非か」と問われれば、日本人のほぼ全員が「非」と答えると思われるからです。しかし「租税回避は?」「節税は?」と聞かれたら、意味を理解できない人、脱税との違いを説明できない人が大部分だと思われますので、先の2割の人というのは単純脱税ではなく「租税回避」や「節税」を想定して答えているのではないかと推測されます。 「脱税」「節税」「租税回避」 脱税は「偽り不正」と定義される行為により税を免れる租税犯罪行為で、節税は法の予定する税負担節約行為と言われています。 租税回避はその中間で、合法ではあるが課税上弊害を生む異常な法形式利用行為のことで「行為計算否認規定」などの発動で自主申告の内容が強制的に修正させられることになります。 |
多くの日本人は「節税」もきらい サラリーマンを中心とする多数派の日本人は、脱税も節税も嫌いです。 決まったものをきちんと払うのが正義で「税金を少なくするために画策するなんて言語道断」と思っています。 それが日本の「税モラル度」世界一の実質だと思われます。 他の納税者の納税道義への信頼、日本国への国民を大切にする国家としての信頼、などに裏付けられた税モラルではないように思われます。 勧善懲悪を疑問視できる環境に乏しい 学校の授業では、勧善懲悪の文学は良くないものと教えますが、まだ世間知らずの子供にはその真意は伝わりません。 桃太郎は見方を変えれば大強盗団のお話です。 税も同じで、課税を正義の実現と考える人と法律による財産侵害と考える人とがいます。 故に、お上の政策に節税で対抗する人がいるとしても当然なのです。 しかし、理論的には「税法は侵害規範」というのが正論ではあるものの、サラリーマン中心の多数派の日本人一般としては、税の世間知を鍛える機会と縁遠いので、勧善懲悪的納税観になりがちです。 |
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