会社が定時株主総会等を開催するにあたって、基準日現在の株主に株主総会の召集通知を発送しますが、基準日後に株式を取得した株主は、株主名簿の名義書換を受けることや、株主総会で議決権を行使することができないのでしょうか？

　会社法の施行より前の平成16年の旧商法改正で株主名簿閉鎖制度は廃止されているので、基準日の設定により株式の名義書換が停止されることはありません。

２．株主の権利行使

　原則、基準日における株主が議決権を行使することになりますが、組織再編等に対応するため、経済界から要請があったので、会社法では基準日後の株式取得者の議決権を認め、「基準日後に株式を取得した者の全部又は一部に当該権利を行使することができる者と定めることができる。

　ただし、当該株式の基準日株主（基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主）の権利を害することはできない。」（会社法１２４条４項）と定め、基準日株主の権利を害さない範囲（剰余金の配当等は不可）で基準日後の株式取得者の議決権を認めました。

　ただし、「株主総会又は種類株主総会における議決権の行使」に限られます。

　「権利を行使することができる者の定め」は、定款でする必要はなく、取締役会等ですることが可能です。

まとめ

　基準日後に株式を取得した者も、基準日を過ぎても株主名簿の名義書換を受けることも、株主としての権利行使をすることも可能なのです。