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2007年12月21日(金)

特別区と特別市の区

 
 

 特別区とは東京都の23区を指し、特別市の区とは14の政令指定都市の中の行政区のことです。

どう違う?

 政令指定都市の行政区は、独立した自治体ではなく、市役所の内部組織のひとつなので、区長は市職員の中から市長が任命しますし、区の議会もありません。

 一方、東京都の特別区は独立した自治体で、市町村とほぼ同じような機能を持っています。区長は、市町村長と同じく住民の選挙で選ばれますし、議会も設置されます。

都と特別市が似ているから!!

 特別区は市と同格といえ、一般の市と異なり、上下水道の設置管理、消防等については権能がなく、市町村税の課税権も一部喪失しています。

 23区内の東京都は広域行政区としての特別市のような存在になっており、その中の区は都下の市町村よりも行政権能が制限されています。

 事業所税は人口30万以上の市で課される税なので、23区内の東京都や政令指定都市がここでは筆頭課税団体とされています。

 ここでは東京都は大規模な市という扱いで、特別区や特別市の区はほとんど無視されています。

 特別区や特別市の区の単位で測ると人口30万以上という要件をクリヤーできないところが沢山出てきてしまいます。

特別区と区の似ているところ

 法人住民税の申告では23区内では事業所がいくつあってもその中の1ケ所の都税事務所にしか法人都民税の申告書を提出しません。

 ただし、区ごとに均等割税の負担は負わねばなりません。

 これは、14の特別市の場合も同じで、特別市の中にいくつの事業所があってもその中の1ケ所の区にしか法人市民税の申告書を提出しません。

 ただし、区ごとに均等割税の負担は負わねばなりません。

 固定資産税・都市計画税については、市であれば、市の収入ですが、23区の場合は都の収入です。

 ただし、免税点の判定は特別区ごと、特別市の区ごとで行います。

 税の計算の基礎は都や特別市にあるのではないことを示しているところです。

特別区の市制施行

  東京23区の自治権回復運動は有名ですが、人口は、最多の世田谷区(855,416人)、最少の千代田区(43,802人)です。

 市制施行されるとしたら、世田谷区は政令指定都市になれそうですが、千代田区は市になれず「千代田町」となってしまいそうです。