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2007年12月6日(木)

わかりやすい交際費  慰安旅行の会社負担はいくらまで

 
 

 社内行事として毎年12月に忘年会を兼ねた社員旅行を行ってる会社があります。

 2泊3日の国内旅行ですが、勤続20年、30年の永年勤続者は家族同伴で参加できるようにし、その費用もすべて会社が負担することを考えてますが、福利厚生費と処理して問題ないでしょうか?


社員旅行と福利厚生

 社員の慰安旅行自体は、これまでも福利厚生費として認められていますので問題はありません。

 今年から永年勤続者に対する恩恵として家族の招待することを、社内規定などで対象者が明確になっていれば、全額を福利厚生として処理しても大丈夫です。

 これらは、給与として課税しないこととする所得税の取扱いから読み取ることが出来ます。


慰安旅行通達(要約)

   旅行の企画立案や目的・規模・行程、会社
   の負担額・割合などを総合勘案するが、以
   下の要件を満たしていれば、原則として非
   課税となる。

  1. 旅行に要する期間が4泊5日(目的地が海外の場合には、目的地における滞在日数)以内
  2. 旅行に参加する社員等の数が全社員等(工場、支店等で行う場合には、当該工場、支店等の社員等)の

    50%以上であること

永年勤続者表彰通達(要約)

 永年勤続した社員の表彰にあたり、その記念として旅行、観劇等に招待し、又は記念品を支給することによる利益で、以下の要件に該当する場合は非課税とする。

  1. 利益の額が、社員の勤務期間等に照らし、社会通念上相当と認められる
  2. 表彰がおおむね10年以上の勤続年数者を対象とし、かつ2回以上の表彰を受けるものについては、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものである

通常要する費用とは

 慰安旅行における「通常要する費用」とは、2泊3日の国内旅行であればそんなに気を使う必要はないかも知れませんが、慰安旅行通達の限度ぎりぎりの4泊5日の海外旅行のケースでは、団体ツアーのセット料金は会社負担、それらのオプション費用は自己負担とするなどとし、過度に会社が負担をしないよう、一人当たりの費用が10万円を超えないようにする必要があります。

 平成14年度の判例で「10万円を超える社員旅行を行っている企業は見当たらない」との調査機関レポートが提出されたこともあり、10万円以内を目安にする見方が中心となっています。


その他の福利厚生

 社内の行事などに際して支出される金額などで、つぎのようなものも福利厚生になります。


福利厚生通達(要約)

  1. 創立記念日、国民の祝日等、新社屋の落成式などに際し、従業員おおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用
  2. 従業員や元従業員又はその親族などのお祝いや不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)

 なお、「社内において」とは、必ずしも社内での食事に限定されるわけでなく、「社内又はこれにふさわしい場所で」という意味が含まれているので、公的な区民会館等を使用して食事会を開く場合の費用も福利厚生費とすることができます。