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2007年10月18日(木)

=シリーズ経営指標 株主資本利益率=
利益率が良くてもダメなの?

 
 

 株主資本利益率は総合指標として用いられる指標の一つです。

 株主資本(払込資本金と内部留保との和)に対する当期純利益の比率です。

 自己資本利益率とも呼ばれます。

 英語ではRate of Return On Equity、またはReturn On Equity と言い、頭文字の略称ROEの表現は、日本国内でも用いられています。

何故総合指標なのか

 株主資本利益率は当期純利益÷自己資本として計算されますがこれを分解すると以下の算式になります。

  (当期純利益/売上高)×
  (売上高/総資本)×
  (総資本/自己資本)

 分子と分母は相殺されますので、最後は当期純利益÷自己資本となります。


 

@(当期純利益/売上高)

   この指標は、売上に対して何%の利益が出
   たかを測る収益性の指標です。%が高いほ
   ど収益性が高いと言うことになります。


A(売上高/総資本)

   この指標は、総資本イコール総資産ですか
   ら、企業全体の資産が一会計期間で何回
   転したのかを測る効率性の指標です。数字
   が大きいほど効率性か高いと言うことにな
   ります。

B(総資本/自己資本)

   この指標は、総資本である会社全体の資
   産が自己資本の何倍あるかを測る安全性
   の指標です。
   この算式を逆にすると、(自己資本/総資
   本)=自己資本比率となります。自己資本
   比率の逆ですから、数字が小さいほど安全
   性が高いと言うことになります。

 @収益性の指標×A効率性の指標×B安全性の指標=株主資本利益率ということですから、@の%が高くAの数字が大きくBの数字が小さくて、最終的な%が大きいことが望まれます。

 ですから株主資本利益率は、高ければ良いと言うわけではありません。