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2007年9月28日(金)
=シリーズ経営指標 損益分岐点=
知って得する損益分岐点

 
 

 企業の安全性を図る指標として損益分岐点があります。

 損益分岐点とは文字通り、損益が分岐する点ということですから、利益が0となる点その時点での売上と言うことになります。

 損益分岐点売上を知ることで、実際の売上との差額が安全性の指標となるわけです。

 例えば損益分岐点売上が、1,000万円で実際の売上が1,500万円ある企業は500万円売上が落ちても±0で赤字にはならないと言えるし、逆に実際の売上が800万円の企業は、あと200万円売らないと黒字にはならないことがわかります。

損益分岐点売上の計算は以下の計算により求められます。

 @売上―変動費=限界利益(付加価値)

 A限界利益÷売上=限界利益率

 B固定費÷限界利益率=損益分岐点売上

 この算式を見て判るとおり、経費を変動費と固定費に区分しないと損益分岐点売上は掴めないと言うことになります。


 

固定費・変動費とは何か?

 実際の決算書上変動費・固定費とは何かと言うことになりますと、所謂決算書(現在の制度会計の財務諸表)には、変動費や固定費としての表記はありませんので、表示された科目から変動費や固定費を選択集計しないとなりません。

 変動費と固定費には色々な説がありますが、要は売上とリンクして増える費用が変動費です。

 勘定科目では、「材料費・外注費・商品仕入・販売手数料・荷造運賃」等が該当すると思われます。

 しかし企業によっては歩合制の給与などがある場合は、給与も変動費となります。

 そして、その他が固定費と考えて、是非一度自社の損益分岐点売上を計算してみてください。

 損益分岐点売上を知っておくと、更に便利なことに以下の算式で簡単に利益(マイナスは赤字)の見当がつきます。

(実際の売上―損益分岐点売上)×
              限界利益率=利益