2007年9月26日(水) |
「された」は「すべき」 |
「記載された金額を限度とする」 税法上、適用すると税額が少なくなるような納税者有利の規定で、要件として、「記載された金額を限度とする」との法律の規定があるものとしては、所得税法の外国税額控除、地方税法の利子割額控除、法人税法の受取配当等益金不算入、寄附金損金不算入、所得税額控除、外国税額控除などがあります。 この記載金額限度の意味は、記載の内容が計算ミスによるものであろうが、記載漏れによるものであろうが、転記ミスであろうが、理由のいかんにかかわらず、当初の確定申告書において書いてしまった金額が適用される金額の上 「された」は「すべき」の新解釈 ところが、この常識を打ち破る判決が今年の5月に福岡高裁から出ています。 タイ語で記載された文章の意味を誤認し、転記ミスをしたため、外国税額控除の適用金額が過少となり、納付すべき法人税額が過大となった事案です。
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地裁は、記載金額限度の意味を別表等の具体的記載額を指すとの常識的な解釈をしました。 ところが、高裁の解釈による記載金額限度の意味は、ミスや漏れや計算誤りなどがなかったとしたら記載したであろう正しい金額のことであるとしました。 学者以上の税理士の頑張り 地裁判決は、渡辺淑夫氏や三木義一氏などの著名な学者の意見書が納税者の見解を支持して出されたことに対し、採用することはできないと一蹴しました。 一方、高裁判決では税理士が補佐人として3名参加して、法の解釈と現実の実務のすり合わせ、特に複雑な別表相互間の関係等について詳しい説明を裁判官にした形跡が伺える内容になっており、国家の租税債権を速やかに確定、実現するという要請よりも、租税法規を統一的に矛盾なく理解しようとする立場の方が重要であるとしました。 記載金額限度の規定がいくつもの条文にあることを考えると、この判決の確定によりその影響する射程範囲は結構広く、税理士の日常業務にも影響すること大であり、最高裁の判断が注視されるところです。 |
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