2007年9月11(火) |
え〜!自社が「筆頭株主」に ? |
自社株の保有数が膨らみ、自らが「筆頭株主」になっている上場企業が、2007年3月末で123社と過去最多になったもようです。 自社株買いとは、一般的には、企業が自社株を市場などで買い付けることで、会社法上、一定の財源規制の基で認められている制度です。
買い付けた株式を金庫株として保有し続けるか、消却するかは企業の判断です。 金庫株は、従業員のストックオプション(株式購入権)やM&A(会社の合併・買収)に活用もできます。 また、自社株を企業が消却せずに保有し続けた場合、議決権はなく、配当も支払う必要がありません。 さらに、市場に流通する株式が減るため、1株当たりの価値が高まり、買収の標的になるリスクを回避できる面もあります。 しかし、企業が第三者に譲渡(募集手続きによる)すると再び市場に出回る懸念が残り、企業の自社株の保有は、投資家にとり潜在的なリスクとも言えます。 そこで、「金庫株として持つより消却した方が明確な株主配分になる」、「自社株を取得、保有し続ける目的を明確にすべきだ」、とする意見もあります。 |
(2)自己株取得と税務 税務は、自己株取得の態様(相対、公開買付、市場買付)によって異なります。 発行法人にとっては、自己株式の取得は、純然たる「資本取引」ですので、資本金等の額の減額になります。 しかし、相対、公開買付の場合には、取得対価の額(交付金銭等の額)が発行法人の資本金等の額を超えると、利益積立金の取り崩し処理を余儀なくされます。 一方、 売却に応じた株主にあっては、市場買付、公開買付(法人株主を除く)の場合には、通常の株式売買取引としての課税になります。 しかし、相対、公開買付(個人株主を除く)の場合は、譲渡対価の額が発行法人の資本金等の額を超えると、みなし配当課税の部分と譲渡損益課税の部分が生じることになります。 |
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