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2007年8月28日(火)
新減価償却の珍現象

 
 

 減価償却の残存価額がゼロになったことにより、減価償却制度が抜本的に変わったことはすでにご存知のことと思いますが、それに伴いいくつかの珍現象が生じています。

償却率100%と即時償却

 新250%定率法によると、耐用年数2年の償却率は定額法の率50%の2.5倍である125%になりますが、この場合は100%で頭打ちとなってしまいます。

 ところで100%の償却率とは取得供用時点で全額費用になることを意味するのかと思いきや、差にあらず、全額が費用になるのは年度初月に取得供用したものに限られます。

 償却率を掛けた後に月割計算をしなければならないからです。

残存価額ゼロといいながら1円

 最後の1円は償却してはいけない、ということならこれは残存価額のように思えますが、新制度の導入の理由は「残存価額の廃止」でした。

 1円のことですからどうでもよいのですが、廃止といいながら廃止ではないのです。

 「残存価額の廃止」は旧定率法の計算構造が成り立たないことを意味しますが、「残存価額」が1円でもあればその計算構造は成り立つので、理論的には、意味のある問題です。

どういうわけか変更自由

 平成19年4月1日以後最初に終了する事業年度で平成19年3月31日以前取得資産の償却方法を変更する場合に限っては、その申告期限までに変更届出を行うことが認められています。

 届出即承認です。

 ちょうど、2つ以上の事業所を有することになる場合で事業所ごとに償却の方法を選定しょうとするときと似ています。

 例えば、8月決算法人が、平成19年3月31日以前取得資産の償却方法を旧定率法から旧定額法へと変更しようとする場合、平成19年8月期の申告期限までに変更届出を行えば、平成19年8月期は旧定額法となります。