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2007年7月17日(火)
デューデリジェンス費用
 
 

 M&Aで企業買収が行なわれる際、買収後のリスクを緩和させるために相手企業の状況を税務・法務・会計的な側面からあらかじめ調査する、デューデリジェンス(買収詳細監査)は必ず実施されます。

費用の相場は?

 デューデリジェンスの実施期間は、買収相手先の状況等によって大きく異なり、2〜3日で終わることもあれば数ヶ月に及ぶケースもあります。

 あらゆる資料を収集・分析しなければならないことからすると、その費用は高額にのぼります。

 一般的に、時間単価2万円から3万円を覚悟して予算立てしておくべきところです。

費用の処理の仕方は?

 ところで、デューデリジェンスを実施した企業にとっては、それが税務上、一時の費用として損金に算入されるものなのかどうか迷うところです。

 法令の規定としては、そのM&Aが適格組織再編か、非適格組織再編かに関わりなく、株式を取得する目的で実施したデューデリジェンスの費用については、株式取得のための付随費用としてその取得価額に含めることになっています。

一時の費用になる場合

 ただし、デューデリジェンス費用のうち、もし、「株式の取得を目的として実施したもの」といわなくても済むものがあれば、それは一時の費用として損金算入が可能です。

 区分は難しいところなので、実際には、個別的に判断していかなければなりませんが、デューデリジェンスが、株式取得の意思決定後に行なわれたものであるかどうか、を一つの指標としてもよいと思われます。

 なお、デューデリジェンス実施後に、企業買収を取り止めた場合など、結果として株式取得につながらなかったデューデリジェンス費用については、当然その期での一時の費用として損金算入です。