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2007年6月12日(火)

既に償却可能限度額に達している償却資産
5年間均等償却はいつから開始?

 
 

 既報の通り、平成19年度税制改正において減価償却制度の抜本的な見直しが行われ、平成19年4月以降取得する減価償却資産は、償却可能限度額(95%相当額)及び残存価額が廃止され、耐用年数経過時に「残存簿価1円」まで償却できることとなりました。

 また、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産で、償却費の累計額が、原則として、取得価額の95%相当額まで達しているものについては、その到達した事業年度の翌事業年度以後において5%相当額を5年間で均等償却できるようになりました。

 この場合、法律施行日現在において既に償却可能限度額に達している資産については、いつからこの均等償却が適用できるかが気になるところです。

(1)法人税法の取扱い

 法人税法では、平成19年4月1日以後に開始する事業年度から適用されますので、平成19年3月31日以前に開始した事業年度である平成19年4月期には、新しい規定は適用されないこととなります。

 従って、平成19年4月期あっては、均等償却ができる事業年度は、平成20年4月期以後の各事業年度ということになります。

 

 

(2)所得税法上の取扱い

 法人税法と同様、平成19年3月31日以前に取得した償却資産について、各年分において不動産所得等の金額の計算上必要経費に算入された金額の累計額が、償却可能限度額まで達している償却資産については、その到達した年分の翌年分以後において5年間の均等償却を行い、耐用年数経過時点において1円まで償却します。

 また、 既に平成19年分以前に償却可能限度額に達している場合には、平成20年分以後の各年分において当該償却費を必要経費に算入します(基本的には法人税と同じ取扱い)。

(3)相続等により取得した償却資産

 平成19年4月1日以後に相続等(相続、遺贈、贈与)によって取得した減価償却資産については、

 新規取得して、19年改正の新たな償却の方法が適用されます。