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2007年4月19日(木)
事業的規模の判定基準 (5棟10室基準)の解釈
 
 

 生命保険料控除・損害保険料控除は年末調整や確定申告でポピュラーなものです。


生保は
 
保険金受取人が自分か又は配偶者、その他の親族とする生命保険契約の保険料を負担した場合、

損保は
 
生計を一にしている配偶者その他の親族が所有している生活用の資産などを保険の目的とする損害保険契約の保険料を負担した場合、に負担者が一定額を控除できます。

生命保険金を受け取ったとき

 生命保険金の受け取りは、満期到来による場合と死亡を原因とする場合があります。

 どちらの場合でも、保険料負担者が保険金受取人であるときは所得税の課税対象になりま
す。

 保険料負担者と保険金受取人が異なる場合で、保険料負担者が生存しているときは、贈与税の課税対象になります。

 保険料負担者の死亡に際して保険金が支払われる場合は相続税の対象になります。

 誰が保険料負担者であるかが重要ですから、名義を無視した生保控除をしていると、後で困ることにもなります。

火災保険金を受け取ったとき

 それでは、妻所有の居宅の火災保険料を夫が負担していて、火災事故に際して妻が保険金を受け取った場合は、贈与税の対象になるでしょうか。

 ここはまったく生保とは異なります。

 受領した火災保険金は贈与税の対象とはなりません。

 相続税や贈与税の対象になる損害保険金は死亡を原因として支払われるものに限られているからです。

 また、所得税についても非課税です。

 ちなみに、火災事故ではなく、妻が満期返戻金を受け取った場合の課税関係も、妻の一時所得となるのみで、夫からの贈与税課税はあません。


雑損控除には影響あり

 この火災の場合において、居宅が焼失したことから雑損控除の対象となり、妻の所得が38万円以下であれば、夫において雑損控除の適用を受けることができます。

 ただし、損失の金額の計算に当たって妻が受領した火災保険金を差し引く必要があります。不完全な非課税といえます。