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2007年3月29日(木)
経過勘定等の会計・税務
 
 

経過勘定等の会計・税務

 決算期を迎えると「経過勘定等」をめぐる会計・税務処理に悩まされることがあります(決算自体にあまり影響はないのですが)。

 この「経過勘定等」を定義すれば、損益の見越し、繰延として、貸借対照表の資産の部または負債の部に計上される項目で、前払費用・前受収益・未払費用・未収収等がこれにあたります。


(1)中小企業の会計に関する指針

 中小企業の会計に関する指針では、「経過勘定等」は、次のように取り扱うよう要求しています。

  1. 当期の費用及び収益でない

    前払費用及び前受収益は、当期の損益計算書から除去し、当期の費用又は収益とすべき

    未払費用及び未収収益は当期の損益計算書に計上するための経過勘定項目として貸借対照表に計上する。

  2. これら経過勘定項目のうち、重要性の乏しいものについては、経過勘定として処理しないことができる。また、前払費用うち当期末においていまだ提供をうけていない役務提供に対応する対価で、支払日から1年以内に提供を受ける役務に対応する金額については、

    継続適用を条件に費用処理することができる

    (いわゆる短期前払費用)。

  3. 立替金、仮払金、仮受金等の項目のうち、金額の重要なものについては、適正な項目を付して資産又は負債として計上し、また、当期の費用又は収益とすべき金額については、適正な項目に計上して費用又は収益として処理しなければならない。

(2)税務上の取扱い

 法人税における取扱も基本的には会計基準と同じですが、いわゆる短期前払費用に関してはその取扱に若干差異があります。

 法人税では、@その費用に原価性がある場合、A提供を受ける役務等が等質等量でない場合には、対価の額全額をその事業年度の損金にはできません。