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2007年3月23日(金)
=現金主義会計の勧め=
現金主義では納税額が判らない?
 
 

納税額は幾らになるのか?

 現金主義で経理をしていると、困った問題が発生します。

 それは「税金は払うのか、あるいは払わなくてよいのか、払うとしたらどれくらいなのか」を現金主義の試算表の利益でみているとおおよそ見当違いになるということです。

 何故ならば、税金計算の基になる利益は、発生主義(制度会計)の利益だからです。

発生主義の利益の求め方は簡単

 ではどうやって発生主義の利益を求めたらよいのでしょうか、

  • まず発生主義ベースの売上を把握してください。
  • 売上が幾らかが判れば、売上げに粗利益率を乗じて、粗利益が幾らになるかを把握してください。
  • 次におおよその1ヶ月の経費(固定費)を、把握して下さい。1ヶ月の経費×経過月数で経費をはじき出し、粗利益から引けばそれが発生主義の利益です。

 いくら売掛金や、買掛金を計上した経理をやっていても、毎月棚卸をやっていない場合は、経理で集計された利益より、この方法で求めた利益の方が、正確な場合が往々にしてあります。

中途半端な発生主義

 売上や、仕入等を売掛金や買掛金で、発生主義で経理をやっていたとしても、毎月月末に棚卸をしていない場合は、正確な利益はわかりません。

 また、請求の〆日が月末で無い限り、売掛買掛と言えども、厳密には月次(1日〜月末)の損益を正しくは表示しておりません。

 本来経理を必要としない、小規模零細企業が労力と時間とコストをかけて中途半端な発生主義をやるよりも、労力と時間とコストのかからない現金主義会計を、確実にこなした方が良いのです。