2007年3月8日(木) |
遺言って何ができるの! |
遺言には出来ることと、出来ないことがあります。 例えば、「私が死んだら、A子は健常者ではないのだから、他の兄弟姉妹はA子をみんなで支えあって生活の面倒を見るように」という内容の遺言を残すことは可能です。 しかし、そのような遺言を残すことは出来ますが、残念ながら、法的拘束力はなく、他の兄弟姉妹がA子を大切にしなければそれまでです。 (1)遺言の柱は財産処分 出来ることで言うと、「自分の死後の財産の処分を指定すること」が遺言の最大の柱で、財産の処分について利用することが圧倒的に多いです。 先ほどの例ですが、「他の兄弟姉妹は、健常者でないA子の生活の面倒を見るように」と言う遺言には法的拘束力がないと言いましたが、財産の処分に絡めて、ある程度遺言者の意思を実現する方法がないではありません。 例えば、「長男に○○の土地、○○の建物を遺贈する。長男は、遺贈者の子Aに対して、同人の生存中、生活費として月額○万円毎月末日限り同人宛に送金して支払うこと」というように、単純に土地、建物を遺贈するのではなく、生活費の送金という負担を付けた遺言をすることです。 |
法律的には、これを「負担付遺贈」といいますが、このような遺言をしても、長男はA子に生活費の送金をしなくても土地、建物を取得することになります。 ただ、長男が生活費を送金しないことが相当期間継続するようであれば、A子(代理人含む)が家庭裁判所に遺言の取消を請求することができます。 そして、家庭裁判所が取消を認めれば、長男に対する遺贈は取り消されます。 (2)身分関係も遺言できる 遺言の柱は財産処分ですが、それ以外のこと、例えば、婚姻外の子を認知するとか、特定の場合に未成年者の後見人を指定するとかなど身分行為に関することや、遺言を執行する者を指定する行為もできることになっています。 |
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