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2007年1月16日(火)
=現金主義会計の勧め=  何故帳簿作成は面倒くさい
 
 

だから小規模企業なのか?

 「企業にとって、あるいは事業にとって経理とは何か?」と言う質問には、「経営の結果を計数化したもの」あるいは「幾ら儲かっているか知るための手段」「企業の通信簿」等々上げれば切りがないくらい答えが有ると思います。

 それだけ経理帳票には多くの情報が含まれているのに、何故小規模企業の経営者は、月次の試算表や、決算書をキチンと作らないのか? だから何時までたっても小規模企業なのか?

経理帳簿の作成を何故蔑ろにするのか?

 まずその原因が分からなければ、対策の施しようが有りません。

 その原因を結論からいえば、経理帳簿は小規模企業にとって必要がないからです。

 「経理とは何か?」と言った質問の本当の答えからすると、必要がないのです。

経理とはユダヤの商人が考えたもの

 ここで言う「経理」とは「複式簿記に則った制度会計」と理解してください。

 制度会計とは国が認めた経理の処理方法(法律により若干の違いはありますが、一番一般的なのが、税法)です。

 

 経理のそもそもの起源は、大航海時代に有ります。

 大航海時代航海に出て行ったのは、命知らずの何処の馬の骨とも知らない荒くれ者です。

 そんな荒くれ者ですから取引した商品を隠し持ってはいないか?積み荷をごまかしてはいないか?商人たちは、全く彼らを信用していません。

 彼らを監視しごまかしようのない管理方法は無いかと知恵を搾って考えたのが、複式簿記による帳簿作成だと言われております。

 ですから経理の本質は、取引現場にいない者が、取引が正しく行われたか否かを管理し監視するシステムなのです。

 小規模企業の経営者は自ら取引現場の先頭に立って一番良く取引の実態が解っております。

 小規模企業の経営者にとって経理業務とは、自分で自分の取引が正しく行われたか否かを管理し監視する行為なのです。

 ですから必要がないし、煩わしいし、出来ればやりたくないのです。