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2007年1月15日(月)
本屋さんと消費税総額表示
 
 

 商品の値段の表示は、不特定多数を対象とするときは消費税込みの総額表示とすることになっています。


本屋さんは順応しない

  ところで、総額表示には違反に対する罰則がありません。だから、というわけではないのですが、いまなお総額表示に切り替えていない業種の商品があります。

 本屋さんの本です。

 流通している多くの書籍のカバーには「定価(本体1000円+税)」などと標記されています。

 そして、本屋さんの本は通常、その価格のみで売られます。

 中古本でない限り、本屋さんが本に印刷されている価格と異なる独自の値札をつけるということはありません。

  先日、本を買って精算するとき、レジの書店員に「本はどうして総額表示じゃないんですか、消費税法に例外規定はないはずだけど」と、話しかけてみました。

 回答は「本は総額表示じゃなくてよいことになっています。詳しくはわかりません。」というもので、回答になっていませんでした。


本屋さんは特別か?

  本には、総額表示にしにくい理由があるのは確かです。

 一冊ごとに異なる種類商品となり、何万点・何十満点という数になり、一点あたりの粗利の低さも絡んで、装丁を要する価格表示を個々の本屋さんに要求するのは過酷ともいえます。

  ただし、長期に刊行されることが予定されていない短期売り切りの雑誌には総額が表示されています。

 また、広告・出版目録・ホームページ等で読者に提供する書籍情報についても総額表示が実行されています。

本屋さんも順応している

  本屋さん店頭の新刊本の定価表示を見比べてみると、出版社によっては、総額表示をしているところがあり、必ずしも足並みはそろっていないことがわかります。出版・雑誌協会では、本のカバーや帯、売上カードなどに総額を表示するよう指針を出しています。

 よく見ると、本の中に挟まっている短冊のような売上カードにはどれも総額が表示されていました。

 この短冊で総額表示しているから適法といえるかどうかは別として、総額表示困難といわれていた本屋さんでも、なんとかしようと努力している姿がみえた思いがしました。