2007年1月12日(金) |
事業所得の帰属と事業の主宰者 |
原則は個人単位 所得税の納税義務の単位としては、個人単位課税制度が採用されています。 したがって、原則としては、家族であっても、それぞれ稼いだ所得に対して、それぞれ別々の納税義務を負います。 例えば、同居の親族であっても、夫・妻・子供が別々の会社に勤めていれば、それぞれが給与所得者として個別の納税義務を負います。 家業は例外 ところが、家族の何人かが関与する家族共同事業については、その事業に係る所得はその事業に参加する家族のそれぞれの共同所得ではなく、事業経営の主宰者一人の所得となります。 法人企業と個人家業と では、その事業の主宰者には誰がなるのか? 法人設立の場合なら、法人事業の主宰者は代表取締役社長ということであり、誰がその任につくかは、株主総会での自由な決議に拠ることになります。 これと同じように、個人事業の場合にも、その主宰者について自由に、任意に定めてよいものでしょうか。 個人家業の主宰者は法定されている これについては、所得税法で、判定基準として、実質所得者課税の原則を定めており、所得は名義人ではなく収益を享受する者に帰属すると規定しています。 すなわち、事業用不動産の所有権者、営業許可を受けている者、取引名義者、などの外形的な指標は重要ですが、そういうことだけでなく、中心は経営にとって重要事項を決定している者、経営方針につき支配的影響力を有する者ということで判断されるということになっています。 |
もちろん、不動産所得などは、資産所得の面が強いので、通常は、貸付物件の法的所有者に帰属します。資産所得の正確の強い事業所得も同じでしょう。 家業とは家族共同事業なので 話は変わって、共同事業性が弱く、家族それぞれの業務や収支が独立しているというようなときは、今度はそれぞれが事業主と判定されます。 特に、親族が医師、歯科医師、薬剤士、弁護士、税理士、公認会計士、あん摩マツサージ指圧師等の施術者、映画演劇の俳優その他の自由職業者については、それぞれ収支が区分され、かつ、他の親族に従属して従事していない場合には、それぞれの収支に係る部分については、それぞれが事業主になります。
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