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2006年12月25日(月)
=シリーズ戦略会計= 人件費こそ付加価値の分配
 
 

=付加価値とは=

 固定費のなかの必要経費といっても色々ありますが、企業活動にとって最も大きな割合を占めるのが、金額的にも人件費です。

 そして人件費こそがまさに「獲得した付加価値mPQの分配なのです。」

  そもそも付加価値という言葉自体、人が労働によって付加した価値と言う意味です。

=幾ら人件費にあてるのか?=

 ここで労働分配率が問題になります。

 人件費は獲得した付加価値の分配なのだとした場合には、次に獲得した付加価値の何%を人件費にあてると言うことを決めておかなければ、労働意欲は湧きません。

 逆に決めておけば限度はありますが、ある程度の業績の悪化でも赤字にはなりません。

=適正労働分配率=

 では労働分配率は何%が良いのかということですが、これは業種・業態によって全く違いますし、個々の企業によっても違います。

 しかし個々の企業にとって、利益の出る適正な労働分配率は把握しておく必要があります。

 自社の適正労働分配率の捉え方は、正解の算式があるわけではありません。

 自社の労働分配率を時系列で見てみてください、過去の業績好調時の労働分配率が適正労働分配率と考えられます。

=矛盾の解決こそ経営者の仕事=

 適正労働分配率という考え方は企業経営にとって非常に重要な考え方です。

 各人の人件費は基本給や手当等様々な規定の積み上げで決定されますが、総額としては適正な労働分配率の範囲に収めなければなりません。

 これは企業活動の個々の場面で必要か否かを判断して必要と認められた経費である必要経費と総額としての固定費との矛盾を解決すると言う経営者の仕事だからです。

「STRAC」図

PQ

売上

vPQ変動費

mPQ

付加価値

(粗利益)

F@人件費

FA他固定費

G利益

 

  • 労働分配率=F@÷mPQ