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2006年11月22日(水)
=2007年3月= 中国で初めての確定申告
 
 

中国の所得税は

 1994年近代税制を実施した中国では、当時、総合課税を採用する条件が整っていませんでしたので、分離課税を採用しました。

 現在の中国の所得税は、所得の分類ごとに適用する税率には、累進税率を適用する種類と比例税率を適用するものとがあります。

 最高税率も45%(給与等の所得)、40%(労務報酬等の所得)、35%(個人経営者の生産、経営する所得等の所得)、と20%(利息、配当金等の所得)、税率の適用も複雑で、所得の種類による税負担の違いも大きくなっております。


以前より不備を指摘

 新華社通信もこの点の不備を指摘しております。(2004.7.27 新華社通信)

  1. 個人の所得再配分の調節には一定の制限があり、公平な課税と合理的な課税を実現することは難しくなっている。
  2. 納税者が所得の種類ごとに計算することで、何度も必要経費を差引くことになる。脱税や租税回避が起きやすい環境がある、と思われる。
  3. 最後に、「適切な時期に個人所得税の改革を発表することになる。」としておりました。


今回の改正は

 年収12万元以上の高額所得者に対して、管理を強化する目的で翌年3月末までに個人が確定申告を行う制度を導入し、2007年3月が最初の申告となります。

 同時に各種の支払いを行う企業には、支払いについての詳細を翌月までに申告する義務を課しました。

 今までは2ヶ所から収入のある者は、それぞれで申告を行うことで、累進税を逃れることが出来たが、これで出来なくなりました。

  また、不動産を個人間で売却したり、貸したりしても、営業税以外は補足されないこともあり、高額所得者の課税逃れに利用されることもありましたが、今後はこれらの所得も補足されるようになりました。