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2006年11月20日(月)
日本版SOX法、それって何のこと?
 
 

 2005年12月8日に金融庁/企業会計審議会・内部統制部会が「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」を公表しました。

 これが、俗称「日本版SOX法」と呼ばれているものです。

  この言葉の由来は、米国の企業改革法(サーベインス・オクスリー法:SOX法)です。この法律は、エンロン、ワールドコムなど多発する企業不祥事を背景に、財務報告の適正性を確保することをねらって制定されたものです。

 我が国においても、金融商品取引法や新会社法などの各種法令が整備され、企業不祥事、財務不正防止を対象とした内部統制システム(日本版SOX法)を構築し、その導入をすべての上場企業に義務づけることにしました。

 施行は、2008年4月以降の事業年度から予定されています。


(1)内部統制とは

  内部統制とは、「企業経営者の意思に従い、事業を適切に遂行していくための企業内部の管理体制のこと」であり、それは、3つの目的5つの構成要素から成り立っています。

「目的」は 

 @ 業務の有効性と効率性 
 A 財務報告の信頼性 
 B コンプライアンス



「構成要素」は 

 @ 内部統制の基礎・土台となる「統制環境」
    (企業理念等)
 A 企業目標を達成することに関するリスクを
    経営陣が認識・分析し、リスクをどう 管理
    するのかを決定する「リスク評価 」
 B 経営目標、リスク軽減戦略が予定通り実
    行されるよう定める方針・手続である
    「統制活動」
 C 統制する責任を従業員に伝える
    「情報と伝達」
 D 統制が実際に機能しているか
    「モニタリング」       であります。


(2)中小企業と内部統制

 仕組みの構築には、予算的にも難しい面があります。社内不正や非効率を防止する仕組みとしては、

 @ 会計数値を社内で透明化する 
 A 経営者自身が数値に明るくなること 
 B 月次決算の早期化、部門予算、
    予実分析等、経理が正確・迅速に行われ
    る仕組作りが最低限必要となるでしょう