2006年11月17日(金) |
株式交換の本当?10月1日以後の新規定 |
会社法に、会社合併や分割などの組織再編の手続きの一つとして株式交換があります。 法人税法にも株式交換の規定があります。
一般の交換は税法では譲渡の一種とされますので、自分の持っている株式を相手に売ってその対価として現金をもらい、直ちに相手の株式を買い取った、と解釈します。 何らかの特例が設けられてない限り、所有していた株式の売却損益につき課税の洗礼を受けることになります。 イメージと違う「株式交換」 ところが、まず、「株式交換」についての会社法の規定は言葉から来るイメージとは異なり、「株式会社がその発行済株式の全部を他の会社に取得させること」としか規定していませんので、株式を対価として受け取ることを要件としていません。 要件としているのは、全部の株式の引き渡しのみなのです。 法人税法でも同じで、税法適格の株式交換の対価としては株式以外の資産の交付が無いことは要求しているものの、当の株式の交付については要件としていません。 現実には株式と株式の交換の形がほとんどだとは思いますが、法律の規定はそのイメージで規定されていないのです。 |
税法の「株式交換」の分類 適格株式交換と非適格株式交換というのが法人税法での分類です。 適格であれば課税の留保、非適格なら時価課税です。 ここまでは普通です。 ボタンの掛け違いしているような税法 非適格のときの時価課税を誰に対してするのか、というと、その対象は株式を渡す株主ではなく、その株主に株式を発行している会社に対して行うのです。 株主については、適格・非適格を問わず、株式と株式の交換だけでそれ以外の金銭等の資産のやり取りがないときには、時価課税されません。 所有していた株式の売却損益についての課税の洗礼は受けません。 逆に、株式価値がなかったので、株式の引き渡しのみで、株式はおろかその他何もうけとらないというケースは、適格株式交換にはなりますが、株主にとっては時価課税の対象になります。 ただし、その場合の時価課税は対価ゼロでの譲渡として譲渡損の認識をします。
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