2006年10月31日(火) |
金融機関の格付けとは?(うちの会社はどこなの?) |
大手金融機関はほぼ不良債権処理が終わり、財務内容が優良な企業へは積極的な融資を展開している中で、残念ながら経営の不安定な企業に対しては今まで以上に厳格な格付けを行なったうえで融資の実行を検討していると聞きます。 この「格付け」とは金融庁が作成したマニュアルにより「正常先」「要注意先(その他)」「要注意先(要管理先)」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の6つの債務者区分のいずれに該当するか判定を行なうことを指します。 @ 「正常先」・・・業績良好・財務内容健全な貸付先 A 「要注意先(その他)」・・・ 貸出条件・履行状況、業績・財務内容とも に問題あるが、その程度は軽微な貸付先 B 「要注意先(要管理先)」・・・ 既存の融資に対して3ヶ月以上返済が延 滞している又は金利の減免を行なってい る貸付先 C 「破綻懸念先」・・・ 実質的に債務超過で、貸出金が延滞状態 で経営破綻の可能性が大きい貸付先 D 「実質破綻先」・・・ 法的・形式的には経営破綻の事実はない が、深刻な経営難で再建の見通し立たな い貸付先 E「破綻先」・・・ 法的にも破綻した貸付先 |
@Aに該当する貸付先は取引継続債権であり、B以下の貸付先は不良債権扱いとなります。 Cの場合は融資打ち切りを検討し、Dではサービサー(債権買取会社)への債権譲渡を考慮することになり、Eでは担保処分後の残額は即時債権償却を要求されることになります。 ただ、同一の企業でも金融機関によって、債務者区分が異なることもあるようです。 特にA「要注意先(その他)」と判定されるか否かで、金融機関の対応はまったく異なることになります。 そのためには、正確な決算、不良資産の処分、実現可能な事業計画の策定などにより金融機関の担当者に取引継続を検討させる説得力のある資料を提出できることが不可欠だと聞きます。 |
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