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2006年10月27日(金)

同一事業年度に新旧2つの制度が混在 ?

 
 

 これは少額減価償却資産の話です。

 既報のとおり、今年の税制改正では、資本金1億円以下の中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、300万円の上限が設けられました。

  この制度は、取得価額が30万円未満の減価償却資産については、一括で損金算入が認められるというもので、平成18年3月31日までは金額について、上限が設けられていませんでした。

  今回の改正で事業年度内に認められる損金の額として300万円という上限が定められ、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間という期限については、さらに2年間延長され平成20年3月31日までとなりました。

(1)取得時期に応じ区分わけが必要

  ここで留意したいのは、この制度は、対象期間中に取得する条件となっており、制度の対象期間が事業年度で区切られていないということです。

 例えば、3月決算でない会社の場合には、平成19年2月期までに終了する事業年度において、一の事業年度に平成18年3月31日までの旧制度の対象期間(金額の上限なし)と、平成18年4月1日からの新制度(金額の上限300万円)の2つの制度の対象期間が存在するということです。


(2)申告要件の手続きも2通り

  この制度の申告要件は、旧制度であれば別表16の備考欄に制度の適用を受けている旨及び取得価額を記載するだけで適用を受けることができましたが、新制度では、新たに別表16(6)に明細を記載し、添付するこが申告要件として義務付けられることになりました。

 ここでも、3月決算以外の企業の場合には、平成19年2月決算期までは、資産の取得時期に応じて2通りの別表の記載が必要となりますので留意したいところです。