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2006年10月25日(水)

明細書の添付が要件 倒産防止共済掛金

 
 

 独立行政法人中小企業基盤整備機構の所管する共済制度として、小規模企業共済制度と中小企業倒産防止共済制度があります。


小規模企業共済制度

 小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主または会社等の役員が事業を廃止した場合や役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立てた掛金に応じた共済金を受け取る制度です。

 小規模企業者の福祉の増進と小規模企業の振興に寄与することを目的として、小規模企業共済法に基づき昭和40年に発足した制度で、いわば国がつくった「経営者の退職金制度」といえるものです。

 個人の資格で加入するものなので、会社の預金等から支払いがなされている時は、個人への現物給与か立替金となるものです。



倒産防止共済制度

 中小企業倒産防止共済制度は、いつ起こるかもしれない「取引先の倒産」というような不測の事態に直面した中小企業に迅速に資金を貸し出しする共済制度です。

 毎月一定の掛金を総額が320万円になるまで積み立てることができます。

 また加入者は、取引先が倒産した場合に、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最高3,200万円まで)で回収困難な売掛債権等の額以内の貸し付けを受けることができます。


解約は

 倒産防止共済契約の解約は、契約者の申し出により、いつでもできます。

 なお、解約により、掛金の納付月数に応じて、掛金総額の80%から100 %に相当する額が、解約手当金として受け取れます。

 ただし、掛金の納付月数が12か月未満の場合には、解約手当金は受け取れず、掛金納付月数が40か月以上なら100%受け取れます。


本来は損金・費用にならない

 本来は積立性であり、掛け捨ての保険ではないにもかかわらず、毎月の掛金は、税法上損金(法人)または必要経費(個人)に算入できます。

 政策的特例といえます。

 これは租税特別措置法に規定されていますが、損金算入に関する明細書の添付がない場合には、適用しない、とされています。

 法人税の場合は別表十(六)が用意されています。

   

調査官

【税務調査】