2006年10月24日(火) |
国民年金の未支給受給権は相続財産になるの? |
相続の一般的効力は、民法896条に規定されており、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。 したがって、一般的には、被相続人に帰属していた未収入金等の債権は、相続財産に属しており、これを相続した相続人がその権利を行使することになります。 但し、被相続人の一身に専属したものは除かれます。 問題は、冒頭の未支給年金受給権が相続財産になるのか、または、相続税法上の「みなし相続財産」にあたるのか、それとも相続財産対象外の財産なのかどうかです。 相続税法に規定する「みなし相続財産」は、法律で厳格に定められており、この未支給年金受給権に係る一時金の請求権は、みなし相続財産の一つである「契約に基づかない定期金に係る一時金に関する権利」にも該当しないことから、「みなし相続財産」として取り扱うことはできません。
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(2)最高裁の判断 最高裁は、この未支給年金受給権の法的性質について次のように説示しました。 「国民年金法19条1項は、年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給しなかったものがあるときは、その配偶者、子、父母、孫、祖父母、又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給年金を請求することができる」と定め、同条5項は、「未支給の年金を受けるべき者の順位は、第1項に規定する順序による」と定めている。 このことから、死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が同条の規定を離れて別途相続の対象になるものでないことは明らかである」と。 このように述べて未支給年金受給権の相続財産性を否定しました。 しかし、すべての未支給年金及び給付金が相続対象外となるとも言い切れないのではないでしょうか。 |
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