最近のニュースを見ていると、企業買収等を良く目にします。いつ自分の会社が他社に買収を仕掛けられるか分かりません。

　前もって備えておくことが重要になってきます。

　防衛策の１つとして種類株式を使った買収防衛策を見ていきましょう。

１．譲渡制限株式

　 すべての株式に譲渡制限を付けることで非公開会社になることが一番の防衛方法です（会社法２条５号）。

　大多数の中小企業には、すでに設定されていますが譲渡制限の定めがある場合、株式の譲渡をしても取締役会等の承認がなければ、株主であることを会社に主張することはできません。


２．黄金株

　 黄金株とは、組織再編や取締役の選任及び解任決議等に拒否権を持つ株式です。

　そのため、敵対的買収者が現れたとき黄金株を使って、企業防衛することができます。

　この黄金株に株式の譲渡制限を付けることで、第三者が黄金株を取得することも防止する必要があります。


３．複数議決権株式


　 複数議決権株式とは、１株1票以上の議決権がある株式のことです。

　そのため、１株で複数票の議決権を与えることができるため、買収者は、発行済株式の過半数を買収しても、議決権の過半数を取得できるとは限りません。

４．議決権制限株式

　 議決権制限株式とは、株主の議決権行使の条件を持ち株総数が発行済み株式の30％未満等と定めることです。

　この用件を超えて株式を取得する株主が現れた場合には、その株主の株式は議決権制限株式となり、株主総会での決定権を与えません。


まとめ

　 種類株式を使う防衛策は、前提として種類株式を発行する株主総会での定款変更の決議が必要であり、株式上場をする場合に問題になるので注意が必要です。