[回答]
特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入の規定の適用要件として、常務従事役員割合が50%超であること、というものがあります。常務従事役員割合とは、「常務に従事する役員」総数のうち、業務主宰役員と常務に従事する業務主宰役員関連者の数の合計数が占める割合のことをいいます。
今回の質問は、使用人兼務役員は、ここでいう「常務に従事する役員」に該当するか、ということです。
これについては、法人税法基本通達9-2-54において、「使用人兼務役員のうち、そのものに対する役員給与のうち役員としての職務に対する給与がその会社の使用人としての職務に対する給与を超えるような者は『常務に従事する役員』に該当するが、単に取締役会の構成員として業務執行に関する意思決定に参画するだけの者は『常務に従事する役員』に該当しない。」とされていま
す。
したがって、使用人兼務役員のうち、使用人分給与よりも役員分給与の方が多く、かつ、会社の経営に関する意思決定に関与する者が、「常務に従事する役員」に該当することになります。