[回答]
減価償却資産を法人に引継ぐ場合、個人事業当時の帳簿価額ではなく、その時点での時価評価した金額により引継ぐことになります。
評価方法としては、固定資産の種類、用途、使用経過年数等を考慮し、固定資産税評価額や販売業者の見積販売価額、類似資産の売買実例価額等により決定します。また、時価の算定が困難である場合は、新規購入価額を計算して、そこから減価償却費相当額を控除した価額によることも可能です。
なお、譲渡価額が時価より低い場合は、その時価との差額は、個人から法人への贈与とみなされます。反対に個人が法人に資産を譲渡した譲渡価額が時価より高い場合は、その高い部分の金額は、個人が法人から贈与を受けたものとみなされ、その高い部分の金額相当額を役員賞与として法人が経理処理をしなければなりません。
個人が法人に不動産を譲渡する場合、低額譲渡(時価の2分の1未満の低額で資産を譲渡した場合)という税法上の規定があり、設立した法人が同族会社の場合、譲渡価額が時価の2分の1以上であっても、時価よりも低い価額で譲渡したとみなされる場合には、その譲渡は時価で譲渡があったものとみなして譲渡所得が課税されますので、ご注意ください。(所法59)