[回答]
税制適格要件を満たしているストックオプションの場合、権利行使時には、所得税が課税されず、取得した株式を売却するときまで課税が繰り延べられます。権利行使によって取得した株式を売却したときに、株式の売却益に対して、申告分離課税の対象として所得税が課税されることになります。
一方、税制適格要件を満たさないストックオプションの場合は、権利行使時に、権利行使の日における株式の時価と権利行使価額との差額に対して所得税が課税されます。そして、株式の売却時には、売却価額と権利行使によって取得した株式の取得価額との差額に対して、所得税が課税されることになりま
す。
ストックオプション制度を利用して取得した株式が上場株式等である場合、株式を証券業者等を通じて売却し、売却損が出たときは、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の特例の要件に該当すれば、税制適格要件を満たす、満たさないにかかわらず、翌年以降に譲渡損失を繰り越すことができます。
なお、譲渡損失の繰越控除の特例は、上場株式等を証券会社等を通じて、売却した場合に限られますので、ストックオプション制度を利用して取得した株式が、非上場株式である場合には、この特例を適用することはできません。
<上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の特例とは>
平成15年1月1日以後に証券業者等を通じて上場株式等を売却し、譲渡損失が出た場合、譲渡損失のうち、その年の株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、控除しきれない金額があるときは、確定申告をすることによって、翌年以後3年間にわたって、株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除をすることができます。
この繰越控除を受けることができる上場株式等の範囲は以下のようになっています。
<上場株式等>
- 証券取引所に上場されている株式等
- 店頭売買登録銘柄として登録されている株式
- 店頭転換社債型新株予約権付社債
- 店頭管理銘柄株式
- 外国有価証券市場において売買されている株式等
- 公募株式等証券投資信託の受益証券
- 特定投資法人の投資口