[回答]
税法上の繰延資産は次のように定義されています。「法人が支出する費用のうち、支出効果が支出日以後1年以上に及ぶもの」その具体的な範囲としては、従前は創業費、開業費、試験研究費、開発費、新株発行費、社債発行費等が政令で規定されていました。(旧法令14)
しかしながら平成18年5月1日に施行された会社計算規則では具体的な内容は明確化されず、平成18年8月に企業会計基準委員会にて繰延資産の会計処理に関する当面の取扱が公表され、繰延資産の対象から試験研究費が除かれ、すべて発生時の費用としなければならなくなりました。
このように会計上の取扱が整理されたことに対応する形で平成19年度税制改正では、税法上の繰延資産の範囲から試験研究費が除かれ、従前のように任意償却が認められなくなりました。これを受けて税法上も、今後、試験研究費は「研究開発費等に係る会計基準」の研究開発に含まれ即時償却することになりました。税法上は事業年度ベースでなく平成19年4月1日以後に支出する試験研究費から即時償却する(発生時に費用とする)ことになります。(19年改正法令附則7)
平成19年3月31日以前に支出した試験研究費については従前の取扱と同様のため現在資産計上されている試験研究費についは従前と同様に任意償却が認められます。