従業員や役員に給与を支払う際には、給与総額から源泉所得税や社会保険料などいくつかの金額を天引きすることになります。天引きする金額は、源泉所得税や社会保険料、社宅家賃や食事代の本人負担分などあります。
社会保険料の料率は最近頻繁に変更になっているため注意が必要となります。
例えば厚生年金は、平成29年9月分まで毎年引き上げが行われています。源泉所得税は、定率減税廃止や住民税への税源移譲が行われたため、1月から給与所得の源泉徴収税額表が改定され金額が変更になっています。実際に支払う金額は天引き分を差し引いた金額であるため、仕訳を起こす際には振替仕訳が必要になります。
では下記の平成19年5月分の給与台帳により仕訳を起こしてみましょう。
Aさん Bさん Cさん 計
基本給300,000 250,000 200,000 750,000
非課税交通費 5,000 8,000 5,000 18,000
課税分合計 300,000 250,000 200,000 750,000
社会保険料 37,938 31,243 24,072 93,253
所得税 2,0703,710 3,830 9,610
住民税 2,500 1,600 0 4,100
弁当代 3,000 3,000 3,000 9,000
差引支給額 259,492 218,447 174,098 652,037
<仕訳例>
借方 貸方
給与(対象外) 750,000円/普通預金(対象外) 652,037
旅費交通費(課税仕入)18,000円/預り金・社会保険料
(対象外) 93,253
/預り金・所得税(対象外) 9,610
/預り金・住民税(対象外) 4,100
/雑収入(課税売上) 9,000
※科目の後のカッコは消費税の課税区分です。
源泉所得税は通常支払い月の翌月10日までに納める必要があるので、給料支払い時に該当金額を“預り金”処理します。納めた時に”預り金“の戻し処理を行います。
住民税、社会保険料も同様です。ただし社会保険料の場合は、健康保険・厚生年金と雇用保険で納める時期が異なりますので、さらに分けて管理していくと良いでしょう。
仕訳例では、非課税交通費分を給与とは別の旅費交通費処理、弁当代の個人負担分を雑収入として処理しました。試算表で給与勘定の金額が台帳と合っているか確認をしてください。