相続放棄をした場合でも、生命保険金は受け取ることができます。
民法第896条によると、「相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属
した一切の権利義務を承継する」とありますが、生命保険・死亡退職金・遺族
年金などは、相続財産に属さない権利とされているため、相続放棄をしても保険金を受け取る権利には影響がありません。
なお、受け取った保険金については相続税法上みなし相続財産として扱われ
るため、相続税の課税対象となりますが、相続放棄をしなかった場合とした場
合については取扱いが異なりますので、ご注意ください。(相続税基本通達3)
◆ 相続放棄をしなかった場合
相続放棄をしなかった場合は、受け取った保険金の合計額が下記の算
式に
よって計算した金額を超える時に、その超える部分が相続税の課税
対象にな
ります。
非課税限度額 = 500万円×法定相続人の数
<注意>
法定相続人の中に相続放棄をした人がいる場合は、相続放棄をした人
も法定相続人の数に含めます。
また、養子がいる場合は次の通りとなります。
- 被相続人に実子がいる場合・・・
養子のうち1人までを法定相続人
にできる
- 被相続人に実子がいない場合・・・
養子のうち2人までを法定相続人
にできる
◆ 相続放棄をした場合
相続放棄をした場合は、相続放棄をしなかった場合の非課税規定が適用さ
れませんので、受け取った保険金の総額が相続税の課税対象となります。
(相続税法12条)