措置法35条に規定する『居住用財産の譲渡所得の特別控除』の適用を受けることはできません。
措置法35条は、『特別の関係がある者』に対して居住用家屋を譲渡した場合には適用されないからです。
『特別の関係がある者』とは、次のような者をいいます。
- 譲渡した個人(以下『個人』という。)の配偶者及び直系血族
- その個人の親族で、その個人と生計を一にしているもの
- その個人の親族で、その家屋が譲渡された後その個人とその家屋に居住をするもの
- 内縁の妻(夫)及びその者の親族で、その者と生計を一にするもの
- その個人の使用人等
(措置法施行令二十条の三1項)
今回の事例の場合、家屋を娘婿に譲渡した後娘婿と同居しますので、上記3に該当し、『居住用財産の譲渡所得の特別控除』の適用は受けることができません。
今回の事例では3,000万円控除を検討していることから、おそらく譲渡益が出ることを前提としています。
今後娘家族と同居して世話になるわけですから、娘婿からお金を取るというのは通常考えにくいことです。
譲渡について所得税もかかってしまうことですから、贈与をするか、質問者の名義のまま住み続け、相続で引き継がせる方が自然ではないでしょうか?
譲渡をする場合の価格設定ですが、贈与税の問題を避けるためには『時価』で売却する必要があります。
ただし家屋の時価を把握することは非常に困難ですから、最低限固定資産税評価額で売却すれば、贈与税の問題は通常生じません。