新着税務情報に戻る
◇新着税務情報◇
 〜譲渡〜
 娘婿への居住用財産の譲渡
 

娘家族と同居することになり、同居する住宅の土地部分は娘に贈与し、建物部分は娘婿へ譲渡することにしました。

このような場合、私は居住用財産の特別控除(3,000万円)の適用を受けることは可能でしょうか?

また、譲渡するときの価格設定など、注意点を教えてください。

 

 

措置法35条に規定する『居住用財産の譲渡所得の特別控除』の適用を受けることはできません。

 措置法35条は、『特別の関係がある者』に対して居住用家屋を譲渡した場合には適用されないからです。

 『特別の関係がある者』とは、次のような者をいいます。

  1. 譲渡した個人(以下『個人』という。)の配偶者及び直系血族
  2. その個人の親族で、その個人と生計を一にしているもの
  3. その個人の親族で、その家屋が譲渡された後その個人とその家屋に居住をするもの
  4. 内縁の妻(夫)及びその者の親族で、その者と生計を一にするもの
  5. その個人の使用人等
                         (措置法施行令二十条の三1項) 

今回の事例の場合、家屋を娘婿に譲渡した後娘婿と同居しますので、上記3に該当し、『居住用財産の譲渡所得の特別控除』の適用は受けることができません。

 今回の事例では3,000万円控除を検討していることから、おそらく譲渡益が出ることを前提としています。

 今後娘家族と同居して世話になるわけですから、娘婿からお金を取るというのは通常考えにくいことです。

 譲渡について所得税もかかってしまうことですから、贈与をするか、質問者の名義のまま住み続け、相続で引き継がせる方が自然ではないでしょうか?

 譲渡をする場合の価格設定ですが、贈与税の問題を避けるためには『時価』で売却する必要があります。

 ただし家屋の時価を把握することは非常に困難ですから、最低限固定資産税評価額で売却すれば、贈与税の問題は通常生じません。