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◇新着税務情報◇
 〜組織変更
 組織変更による評価換え
 

有限会社を株式会社へ変更するのですが、この場合、この変更は「組織変更」にあたり資産評価益を計上することは可能でしょうか?
また、組織変更や評価換えをすることが可能なケースを教えてください。

 

 評価をかえることが可能かということに付きまして、対象が、法人税法上のことなのか、会社法上のことなのか、ここでご質問の内容を整理したいと思い ます。

 おそらく、過去において会社が長年解消されない繰越欠損金を、当該評価益と相殺することによって解消してきたことが想像されますので、当該後質問は、このケースを想定したものとして回答したいと思います。

 税法上、資産の評価益は、原則益金不算入です。
  しかし、例外として、資産の評価益の計上ができる評価換えとして、「内国法人がその組織の変更に伴っ て行う評価換え」がありました。しかしながら、この度、当該政令は廃止されましたので、法人税法上、組織変更による評価益の計上はできなくなりました。

 また、視点を変えまして、平成18年5月1日からの施行の会社法、整備法(会社法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律)から検討しますと、ご承知のよう、有限会社法は廃止となりました。よって、施行日以後、商号中に「有限会社」の文字を使い続ける限り、当該組織は、会社法の規定による特例有限会社として存続することとされます
(整備法1−3、2−1)。

今後は、あらたに有限会社をつくることはできなくなり、(特例)有限会社自体、新会社法上では株式会社となったため、有限会社を株式会社へと変更することは、従来の「組織変更」ではなくなり、単なる「商号変更」となりました。

 「組織変更」が、法人税法上での評価換えの対象から外れたことに加え、会社計算規則7条において、「会社が組織変更をする場合には、当該組織変更をすることを理由にその有する資産及び負債の帳簿価額を変更することはできない」とされたことから、旧法人税施行令24条にあった資産の「評価換え」を想定した「評価換え」はできなくなり、同じく、株式会社と持分会社(合同、合名、 合資会社)間の組織変更が可能となりましたが、当該組織変更に伴う資産及び負債の評価換え自体が会社法により禁止となりました。