医療法人とは、病院、診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする財団又は社団が、都道府県知事の認可を受けて設立される非営利の法人と規定され
ています。
(医療法39条)
この医療法人のうち、社団であるものには、出資持分のあるものとないものがありますが、今回は、社団であるもののうち、出資持分のあるものを前提と
して返答させて頂きます。
医療法人を解散した場合に発生が見込まれる税金は、医療法人にかかるものと、出資者に対してかかるものの2つがあります。
1、医療法人にかかるもの
解散時に、全ての財産・債務を清算した後に残るものが、残余財産となりま
す。その残余財産からその解散の時における資本等の金額と利益積立金
額等との合計額との合計額を控除した金額が清算所得となります。
(法人税法39条1)
この清算所得に対して、法人税・住民税が課されることになります。
その税率は、法人税は27.1%、住民税は解散の日現在における税率と
なります。
(法人税法99条1、地方税法53条5、県通2−52)
2、出資者に対してかかるもの
解散時に、出資者は、その出資持分に応じた払い戻しを受けることになり
ます。
このような、法人の解散による残余財産の分配を事由として、金銭その他
の資産の交付を受けた場合、その金銭その他の資産の価額の合計額が、
その実際の出資金額を超えるときは、その超える部分の金額は、利益の
配当又は剰余金の分配とみなす、と規定されています。(所得税法25条1)
この超えた部分の金額に対して、配当所得として20%税率による源泉徴収することになり、確定申告において総合課税の累進税率が適用されるため、所得税・住民税合わせて最高で50%の税率により課税が行われることとなります。