ご質問の場合、B社はA社の完全子会社となります、平成18年度の税制改正前であれば、現金等交付が5%未満であれば株主の譲渡益課税は繰延となっ
ていました。
しかし、今回の税制改正により、B社株主だけでなくB社についても、一定の要件を満たさない場合には税金の問題が発生することになりました。
- 完全子法人の株主(B社株主)【法法61条の2第7項】
完全親法人株式(A社株式)以外の資産の交付がない場合にのみ、譲渡益課税の繰延が行われることになりました。従って、改正以前のように現金等交付をした場合は、B社株主に譲渡益課税が発生します。(ただし、配当見合いや買取請求の対価として交付される場合は除かれます。)
- 完全子法人(B社)【法法2条十二の十六号、62条の9】
改正以後は、株式交換についても、合併分割と同じように税制適格・非適格によって資産の評価損益の計上を検討する必要がでてきました。つまり、一定の要件を満たさなければ税制非適格となり、一部の資産につき時価評価する必要があります。
この要件は合併分割などと同じですが、要約して記載すれば以下の要件を満たしていれば税制適格となります。
(A)企業グループ内の株式交換
完全親法人株式以外の資産の交付がないこと。
100%又は50%超の支配関係の継続、事業継続・従業員引継
(50%超の場合)。
(B)共同事業要件を営むための株式交換(50%以下の支配関係)
完全親法人株式以外の資産の交付がないこと。事業の関連性、
事業規模又は役員、株式の継続保有等。
※税制非適格となった場合
非適格となった場合には、固定資産、土地(土地の上に存する権利を含み、
固定資産に該当するものを除く)、有価証券、金銭債権、繰延資産の評価損
益を計上する必要があります。
ただし、財務省令で定める単位に区分した後、それぞれの資産の含み損益
が資本等の2分の1又は1,000万円のいずれか少ない金額に満たないも
のは計上する必要はありません。
このように株式交換(株式移転も同様です。)については、合併分割と同様の処理を行うことになりました。
株式交換・株式移転がようやく企業組織再編税制に組み込まれたと考えれば良いと思います。
なお、この制度は平成18年10月1日以後に行う株式交換・株式移転に適
用されますのでご注意ください。