平成18年度の税制改正では、同族会社の判定基準が改められ株式所有割合の他に議決権等が追加されました(法法2(10)、施行令4)。
したがって、議決権を3人以下の株主グループで50%超有している場合は、同族会社と判定されます。
例えば種類株を用いて権利内容を小分けにしているような場合は、
- 組織再編関係の営業譲渡権
- 役員の選再任権
- 役員報酬の決定権
- 剰余金や利益の分配権
の各項目について、1項目でも3人以下の株主グループで50%超の権利を有している場合は同族会社に該当することとなります。
また、留保金課税の対象となる同族会社は上位3株主グループで判定していましたが、改正後は上位1株主グループで留保金課税の適用判定を行い、「特定同族会社」と規定されることとなりました(法法67、法基通16-1-1)。
例えば、発行済株式総数が100株の会社で、
A氏グループ 50株
B氏グループ 20株
C氏グループ 10株
その他少数株主 20株
所有していた場合、
(1)同族会社の判定
上位3株主グループで50%超なので、同族会社となります。
(2)留保金課税対象となる同族会社の判定
上位1位グループ(A氏グループ)のみの判定なので、50%以下となり、留
保金課税
は適用されません。
なお、留保金課税の計算で控除できる留保控除額に新たな基準が追加され、次のうち最も大きい金額となりました。
- 所得金額の40%
- 年2000万円
- 期末資本金の25%相当額−利益積立金
- 自己資本比率が30%に満たない場合のその満たない部分の金額
(資本金1億円以下の法人のみ)
以上の改正によって、適用対象法人が減ると見込まれます。