平成18年度の税制改正で、法人税において、実質一人会社のオーナー給与について、損金算入されたオーナー給与のうち給与所得控除額相当分を法人所得に加算する制度が創設されました。
適用対象となる実質一人会社については、(1)同族会社の業務を主宰する役員及びその同族関係者等が、その事業年度末において発行済株式総数の90%以上の数の株式を有する場合その他政令で定める場合で、かつ(2)常務に従事する役員の過半数を占める場合等の会社です。
「主宰する役員」や、「常務に従事する役員」の意義については、政令に委任せず、通達に委任することになる見込みです。上記の「その他政令で定める場合」のその他には議決権が判定基準に加えられる方向です。なお、公益法人や、医療法人は対象外とされます。
上記の会社に該当した場合、オーナー社長に支給する給与のうち、給与所得控除額に相当する金額は法人税の計算上、損金算入を認められません。その分法人の課税所得が増加することになり、税負担も増えるケースが想定されます。
ただし、適用除外規定があります。
(1)同族会社の所得等の金額(所得の金額と所得の金額の計算上損金の額
に算入された当該オーナーに対する給与の額の合計額)の直前3年以内
に開始する事業年度における平均額が、年800万円以下である場合と、
(2)その平均額が年800万円超3,000万円以下であり、かつ、当該平均額に占
める当該給与の額の割合が50%以下である場合は、
適用除外となります。
適用時期は、平成18年4月1日以降に開始する各事業年度からになります。詳細については、平成18年4月初旬に発表される政令等で定められることになりますので、注意してみておきたいところです。