納税者が扶養親族を有する場合には、その年分の所得から38万円を控除することができますが、この扶養の判定の時期については、所得税法第85条において『扶養親族に該当するかどうかの判定は、その年12月31日の現況による。』と定められています。
例えばある年の1月1日に子供が生まれた場合と同じ年の12月31日生まれた場合を比較してみます。この場合、生まれた年に扶養した期間は前者が丸1年なのに対し、後者はたった1日です。
にもかかわらず、扶養日数に関係なく、所得税法上の判断はその年の12月31日
の現況で判断するため、1月1日に生まれようと、12月31日に生まれようと、
同じ年の間に生まれれば、同額の38万円の扶養控除を受けることができます。
サラリーマンなどでこのようなケースに該当しますと、子供が生まれる前月
までその子供の扶養控除分を給与に係る源泉所得税で考慮されていませんので、年末調整などで、1月〜子供が生まれる前の月までの部分が一度に清算され、
いつもの年よりもたくさん税金が戻ってきたりします。このことが、負担の軽
減を感じることができたり、とても恵まれると感じることにつながっているの
ではないでしょうか。
また、2005年12月31日に生まれた場合とその翌日の2006年1月1日に生まれ
た場合を比較してみます。
生まれた日はたった1日しか違いはありませんが、前者は2005年から38万円の扶養控除をもらえるのに対し、後者は2006年からしか38万円の扶養控除は受けられません。つまり、たった1日の違いでも、38万円控除を受けられる年が変わってきてしまいます。このような点も、恵まれていると感じることにつながる1つの要因といえるかもしれません。