ご質問にあるように、専業主婦や学生の方の場合、収入がないために保険料が負担できず、その世帯主が国民年金保険料を支払っている場合があります。
これについて、その世帯主が払った妻や子供の国民年金保険料が贈与になり、贈与税が課税されてしまうのではないか、という心配が出てきます。
所得税法74条では「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に・・・所得金額から控除する」とあり、この社会保険料とは「国民年金法の規定により被保険者として負担する国民年金の保険料及び国民年金基金の加入員として負担する掛け金」となっています。
このように贈与税の問題以前に、所得税法で世帯主の所得より控除できると規定されていますので、妻や子供の国民年金を負担した場合に贈与税が課税されることはありません。
また、相続税法の基本通達第21条の3(贈与税の非課税財産)関係において、生活費の意義として「その者の通常の日常生活を営むのに必要な費用」とあります。
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方は全て、国民年金に加入することになっていますので、国民年金の掛け金はこの「通常の日常生活を営むのに必要な費用」に該当すると思われます。
以上のことから、専業主婦と大学生の子供の国民年金を負担している場合でも、贈与税が課税されることはありません。