2010年3月15日(月) |
家事消費の税務 |
「家事消費」とは、 商品などをお客さまに売るのではなく、自分や家族のために消費することを「家事消費」と言います。 魚屋さんが店先にある秋刀魚を夕食の材料にしたとか、ラーメン屋さんがラーメンを店内で家族に食べさせる、というようなことです。 家事消費は、商品仕入が経費となっているのに対応して自分への売上という扱いになります。 仕入価格又は販売価額の70%とのどちらか多い方の金額を売上金額としなければなりません。 商品などの消費に対する特例なので、償却資産の家事使用の場合とか、サービス業での自己サービスの場合には出番のない規定と言えます。 消費税法での違い 消費税法にも所得税法と同じく家事消費の規定がありますが、見比べると3つの違いがあります。 消費税法では、消費だけでなく「使用」をも対象にしています。 したがって対象資産も消費目的の棚卸資産等のみならず、使用目的の事業供用資産をも含みます。 それから、売上金額とすべき金額は仕入価格又は販売価額の50%とのどちらか多い方の金額とされています。 |
「使用」を対象とするわけ 商品その他の資産の購入だけでは所得や損失は発生しません。しかし、消費税の課税仕入は購入時に発生してしまいます。 ここが所得税と消費税の異なるところです。 所得税で償却資産を家事使用することにした場合には、減価償却費について家事部分の費用化を遠慮します。 しかし、消費税では購入時に通常、全額課税仕入としてしまっているので、あとで家事使用した場合には過去の課税仕入の変更ではなく、その使用の時にその使用資産を譲渡したものとみなして対応するわけです。 家事使用の程度 通達で、「事業の用に供している自動車を家事のためにも利用する場合のように、家事のためにのみ使用する部分を明確に区分できない資産に係る利用」というようなものは「使用」に該当しない、としています。 そんなに神経質にならなくてもよい、との趣旨のように読めます。
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